貓頭鳥(The Owls), 2023, 胡立歐・哥亞 Julio Goya
台湾西部を南北に走る街道「台三線」を軸に、沿線の複数の地域で開かれている「浪漫台三線芸術祭(Romantic Route 3)」。古くからそこに暮らしてきた客家民族に焦点を当て、その文化の伝承と現代的価値の創出を目指す台湾の芸術祭です。この客家の地、という特定の空間に展示する作品を制作する作家として、フリオ ゴヤが招かれました。芸術祭のガイドに説明を求められ、こう語っています。 「この地で客家の人々が共生し、今は絶滅が危ぶまれるフクロウを、木の幹と根を使って表現しました。私は鉄の彫刻家ですが、今回は客家文化への敬意を表すため、客家が大事にしてきたこの土地の自然木のみを使いました。 根の作品はレリーフです。できるだけ素材の形を残すようにしたので、近くで見ると目の大きさが違っていたり、鼻が歪んでいたりします。普段、鉄のほかに木や石を使って制作することもありますが、自然の素材を使用するとき私は、現実を追うのではなく、自然の形を残し、作品を自然に寄せるようにしています。 制作滞在中には客家の人々をはじめとして現地の人々と交流し、私も客家の文化をいろいろ知ることができました。この作品が、ここを訪れる人にとっても、客家文化を考えるきっかけとなれば幸いです。台湾でお会いした皆さんは、お世辞ではなく温かく親切で、協力的でした。ありがとうございました。」 浪漫台三線藝術季 Website Romantic Route 3 is a Taiwanese art festival held in several areas along Route 3, a highway running through western Taiwan. Focusing on the Hakka ethnic group who have lived there since ancient times, this art festival aims to pass on their culture and create contemporary values. Julio Goya was invited to create a site-specific artwork to be exhibited in this land where the Hakka people long lived. Wh